FA移籍先での打撃タイトル獲得 2023版
本日をもって2023年パリーグのレギュラーシーズン全試合が終了し、タイトルも確定した。
その結果、今年がFA移籍初年度であり、WBCにも出場した福岡ソフトバンクホークスの近藤健介選手が、初めて本塁打王のタイトルと打点王のタイトルを獲得した。
昨年まで本塁打のシーズン最多が11本だった近藤健介選手は、本塁打がより生まれやすい球場を本拠地とする新天地で長打狙いの打撃スタイルにすることで飛距離が伸び、これまでの自己最多を倍以上更新する26本塁打を放った。シーズン後半は4番打者として活躍し、打点を稼いでチームの勝利に貢献した。
打率もリーグ首位打者となった頓宮選手に4厘差に迫るリーグ2位であり、シーズン終盤は三冠王への期待も高かった。
このようにFA移籍1年目から活躍し主砲として君臨する選手もいるが、FA移籍先でそれまでのような結果を残せない選手もおり、球史を遡れば移籍先で活躍してタイトルを獲得するということは容易ではないことがわかる。
本項では、過去のFA移籍選手の移籍先での打撃タイトル獲得についてまとめる。
【FA移籍先で打撃タイトル獲得】
・・・本塁打王(26本/初)
・・・打点王(87打点/初)
・・・最高出塁率(.431/3年ぶり3度目)
打率.303 26本 87打点
出塁率.431
*2023 移籍5年目 浅村栄斗(楽天)←西武
・・・本塁打王(26本/3年ぶり2度目)
打率.274 26本 78打点
※移籍先での同一タイトル複数回獲得は史上初
*2020 移籍2年目 浅村栄斗(楽天)←西武
・・・本塁打王(32本/初)
打率.280 32本 104打点
※移籍先での本塁打王タイトル獲得は史上初
・・・最多安打(157安打/4年ぶり2度目)
打率.300 7本 53打点
⇅2年連続タイトル⇅
・・・首位打者(.338/3年ぶり2度目)
打率.338 12本 74打点
(シーズンMVP)
・・・打点王(93打点/初)
打率.269 17本 93打点
*2010 移籍3年目 和田一浩(中日)←西武
・・・最高出塁率(.437/初)
打率.339 37本 93打点 出塁率.437
(シーズンMVP)
・・・首位打者(.334/初)
・・・最多安打(176安打/初)
打率.334 17本 87打点
※FA移籍先での同年複数タイトル獲得は史上初
・・・最多安打(165安打/初)
打率.294 6本 60打点
・・・打点王(113打点/初)
打率.317 34本 113打点
*2000 移籍1年目 江藤智(読売)←広島
・・・最多勝利打点(14打点/初)[特別賞]
打率.256 32本 91打点
→最多勝利打点の特別賞はこの年で廃止
巨人選手のシーズン40本塁打
2023年9月15日の中日ドラゴンズ戦で読売ジャイアンツ・岡本和真選手がシーズン40号ソロを放った。
自己最多を更新するホームランとなり、同時に巨人の右打者としては史上4人目のシーズン40本塁打達成となった。
生え抜き右打者に限定すると、2019年にシーズン40本塁打の坂本勇人選手以来2人目の達成である。
本項では、巨人選手のシーズン40本塁打の記録を、右打者、左打者に分けて整理する。
※複数回達成者は最多のシーズン
※カッコは達成回数(表記なしの場合は1回のみ)
【巨人右打者のシーズン40本塁打】
過去4人が5回達成
2010年 A.ラミレス(2) ・49本 (ヤクルトより移籍)
2019年 坂本勇人・・・・40本
2023年 岡本和真・・・・40本
【巨人左打者のシーズン40本塁打】
過去5人が19回達成
1964年 王貞治(13) ・・55本
2002年 松井秀喜(3)・・50本
2004年 T.ローズ・・・45本 (近鉄より移籍)
2010年 阿部慎之助・・44本
2006年 李承燁・・・・41本 (ロッテより移籍)
過去9人が合計24回達成している。
最多達成は、8年連続などを含む合計13回の王貞治選手(1963年~70年,1972~74年,1976~77年)である。
生え抜き選手に限ると、王選手、松井選手、阿部選手、坂本選手、岡本選手の計5選手が達成している。
40本塁打の打者が同一シーズンに複数存在したのは、2004年(ローズ45本,小久保41本)と2010年(ラミレス49本,阿部44本)の2回ある。ただし、両シーズンともチームとしては優勝を逃している。(両年とも優勝は落合監督率いる中日ドラゴンズ)
通算1000奪三振のスピード記録〈今永選手のメジャー移籍はいかに〉
2023年9月13日の横浜DeNAベイスターズvs.中日ドラゴンズの試合で、先発今永昇太投手がNPB通算1000奪三振を達成した。
今春のWBCでは決勝アメリカ戦の先発投手の大役を任された今永投手のこの記録は歴代8位のスピード達成となり、ベイスターズのエースに新たな勲章が加わった。
過去の項でも扱った記録に今永投手の記録を加えると以下のようになる。
【通算1000奪三振スピード記録】
順位 投球回 選手名(達成時所属球団) 奪三振率
1位 771.2回 藤川 球児 (阪神) 率11. 66
〜 812回 ダルビッシュ 有 (LAD) 率11. 08※
2位 834回 大谷 翔平 (LAA) 率10. 79
3位 855.1回 千賀 滉大 (福岡SB) 率10. 52
4位 871回 野茂 英雄 (近鉄) 率10. 33
5位 913回 石井 一久 (ヤクルト) 率 9. 86
〜 928回 野茂 英雄 (MIL) 率 9. 70※
6位 940回 江夏 豊 (阪神) 率 9. 57
7位 958回 則本 昂大 (楽天) 率 9. 39
8位 979.1回 杉内 俊哉 (福岡SB) 率 9. 19
9位 983.1回 今永 昇太 (横浜DeNA) 率 9.15
10位 986回 藤浪 晋太郎 (阪神) 率 9. 13
11位 997.1回 伊良部 秀輝 (ロッテ) 率9. 02
※赤字はメジャーリーグ経験者
1000奪三振を983回と1/3で達成したため、奪三振率は9を上回る9.15となっている。
今季30歳を迎えている今永投手は、世界トップクラスの回転数を誇るノビのあるストレートや高い奪三振率もあり、メジャーリーグからも貴重な左腕として注目されている。
今年のオフでのメジャー移籍も有力視されているが、この記録を見ると特徴的なことがある。
それは、スピード記録に名を連ねる選手の多くがメジャーリーグ移籍を果たしているところだ。(上記赤字の投手)
上記12名の投手のうち、メジャーリーグ経験者は8名と3分の2を占める。(ダルビッシュ投手は日本でのスピード記録には名前がないが、メジャーリーグではメジャー史に残る驚異的なスピードで記録している。)
メジャーリーグでもハイペースで奪三振を積み重ねた野茂投手やダルビッシュ投手はもちろん、大谷投手、今年からニューヨーク・メッツに移籍しルーキーながらも低迷するチームのエースとして孤軍奮闘する千賀投手などいずれもメジャーの舞台でも三振奪取能力を発揮している。
今年からメジャーリーグに移籍し、トレードによりオークランド・アスレチックスからボルチモア・オリオールズへと移籍した藤浪投手も、防御率の数字は特筆すべきものではないが、シーズンが終盤へと向かうにつれ首位を快走するチームの重要な中継ぎ戦力となっている。
これから推測するに今永選手も十分メジャーリーグで活躍する可能性はあると言えるかもしれない。
他のランクイン投手との違いとしては、経歴と年齢をまずあげることができる。
他のランクイン投手の経歴とメジャー移籍年齢は以下の通り。
大谷 24歳 高卒でプロ入り
ダルビッシュ 26歳 高卒でプロ入り
野茂 27歳 高卒社会人野球経由でプロ入り
伊良部 28歳 高卒でプロ入り
石井 29歳 高卒でプロ入り
藤浪 29歳 高卒でプロ入り
千賀 30歳 高卒でプロ入り
今永? 31歳(来季) 大卒でプロ入り
藤川 33歳 高卒でプロ入り
今永投手は、この中で唯一の大卒入団の投手であることがわかる。
また、日本のNPBで奪三振能力を発揮してメジャーでも活躍する投手は20代半ばから後半の年齢で移籍しているが、最速で来季の移籍となる今永投手は移籍時31歳である。
ランクイン投手の中では、同じ大卒で今永投手よりも早くして奪三振型エースとして球界に君臨した則本投手は、20代後半にメジャー移籍の可能性もあったが残留し、33歳となる現在も東北楽天の主力投手として勝ち星を積み重ねている。
メジャー移籍を決断するのは今永投手である。
今永投手の今シーズン最後までの活躍に期待し、
どのような決断でも応援したい。
FA移籍投手の成績 〈二桁勝利のハードル〉
本項では、NPBでのFA移籍した投手の移籍先での勝ち星を整理する。
別項にて取り上げたものを2022年シーズン終了時に更新したうえで、FA移籍先で二桁勝利をした投手に絞り整理する。
【主なFA移籍投手の勝利数】
(移籍初年度・投手名 移籍後球団←移籍前球団)
1年目:1995年・12勝
(2年目:1996年・ 8勝 ※最多奪三振)
3年目:1997年・11勝
5年目:1999年・11勝
1年目:2000年・12勝5敗 ※最高勝率
5年目:2004年・10勝
6年目:2005年・11勝
1年目:2008年・11勝
5年目:2012年・10勝
1年目:2012年・12勝 ※最多奪三振&最高勝率
2年目:2013年・11勝
3年目:2014年・10勝
2年目:2015年・15勝→最多勝
3年目:2016年・10勝
1年目:2014年・12勝 (4年ぶり2桁)
1年目:2014年・11勝
2年目:2018年・11勝 ※最優秀防御率
*2017年・山口俊 読売←横浜DeNA
3年目:2019年・15勝4敗
1年目:2019年・10勝
2年目:2020年・11勝 ※短縮シーズン
1年目:2020年・10勝 ※短縮シーズン (3年ぶり2桁)
3年目:2022年・10勝
★FA移籍初年度の勝利数トップ 「12勝」
・工藤(2度:福岡ダイエー/94、読売/00)
・杉内(読売/12)
・久保(横浜DeNA/14)
★FA移籍先でのシーズン最多勝利数 「15勝」
・涌井(千葉ロッテ/15)
・山口(読売/19)
↓ともにリーグ最多勝↓
★FA移籍先での"最多勝"タイトル獲得
・涌井(千葉ロッテ/15)
・山口(読売/19)
★FA移籍先でのシーズン二桁勝利回数
6度・・・工藤 (福岡ダイエー3度、読売3度)
3度・・・杉内
2度・・・石井、涌井、西勇輝、美馬
〜勝利数以外の項目〜
★FA移籍先での"最優秀防御率"タイトル獲得
・工藤(福岡ダイエー/99)
・岸(東北楽天/18)
2選手とも西武から移籍
★FA移籍先での"最高勝率"タイトル獲得
・工藤(読売/00)
・杉内(読売/12)
・山口(読売/19)
3選手とも読売
★FA移籍先での"最多奪三振"タイトル獲得
・工藤(2度:福岡ダイエー/96,99)
・杉内(読売/12)
・山口(読売/19)
多くの投手、先発投手が過去にFA移籍を経験したが、FA移籍先で先発投手4タイトルのいずれかを獲得できたのは、工藤公康、杉内俊哉、涌井秀章、岸孝之、山口俊の5選手のみである。
移籍後にリーグ最高クラスの成績を単年でも残すことは難しいとわかる。そして、何シーズンにも渡って、また2つの移籍先で好成績を残した工藤投手は1人別格の存在であると言える。
…FA移籍後にタイトルを獲得したり二桁勝利を複数回記録したりできる投手は、現在ではFA移籍先として国内ではなく海外・メジャーリーグを目指す傾向にあるため、そのようなエース級投手が国内FA移籍して活躍する姿はこれからあまり見られなくなるかもしれない。
メジャー移籍までの年数は
オリックス・バファローズのリーグ連覇と26年ぶり日本一に主砲として貢献した吉田正尚選手が、ポスティングでのメジャーリーグ移籍交渉解禁後すぐに5年総額9,000万ドルの超大型契約でアメリカンリーグ(AL)東地区のボストン レッドソックスへ移籍することとなった。
また、ソフトバンクホークスに育成ドラフト4位入団し常勝軍団のエース,球界を代表する投手として活躍してきた千賀滉大投手は、海外FA権を行使しての移籍交渉の末、5年総額7,500万ドルの大型契約でナショナルリーグ(NL)東地区のニューヨーク メッツへの移籍が決定した。
パリーグの投打の顔が同じシーズンにメジャーに挑戦することとなる。
高卒選手と社会人野球や大学などを経てプロ入りした選手ではメジャー挑戦時の年齢やNPB経験年数に違いがあり、この2選手の場合、年齢は同じ(学年は千賀投手の方が1つ上)でも千賀投手は2011年入団、吉田選手は2016年入団とNPB経験年数には5年の差がある。
本項では、メジャー挑戦した選手が何年間のNPBでのプレーを経て何歳でメジャー移籍したのかを見ていく。
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
赤字・・・以下いずれかの該当選手
シーズン150安打以上、シーズン15本塁打以上
シーズン2桁勝利、シーズン50試合以上登板で防御率2点台以下
20歳
○ 高校→NPB1年
・村上雅則(南海→サンフランシスコ・ジャイアンツ)
23歳
〇 高校→NPB5年
・大家友和(横浜→ボストン・レッドソックス)※早生まれ
24歳
○ 高校→NPB5年
26歳
○ 高校→NPB7年
・柏田貴史(読売→ニューヨーク・メッツ)
27歳
○ 高校→社会人3年→NPB5年
○ 高校→NPB8年
・松坂大輔(西武→ボストン・レッドソックス)
28歳
○ 高校→NPB9年
・伊良部秀輝(ロッテ→ニューヨーク・ヤンキース)
○ 高校→NPB10年
・岩村明憲(東京ヤクルト→タンパベイ・デビルレイズ)※早生まれ
29歳
○ 高校→大学4年→NPB6年
・有原航平(北海道日本ハム→テキサス・レンジャーズ)
○ 高校→NPB10年
・石井一久(ヤクルト→ロサンゼルス・ドジャース)
・松井秀喜(読売→ニューヨーク・ヤンキース)
・松井稼頭央(西武→ニューヨーク・メッツ)
○ 高校→NPB11年
・新庄剛志(阪神→ニューヨーク・メッツ)※早生まれ
30歳
○ 高校→大学4年→NPB7年
○ 高校→大学4年→NPB8年
・青木宣親(東京ヤクルト→ミルウォーキー・ブルワーズ) ※早生まれ
○ 高校→NPB11年
○ 高校→NPB育成選手1年→NPB11年
・千賀滉大(福岡ソフトバンク→ニューヨーク・メッツ)※早生まれ
31歳
○ 高校→大学4年→NPB8年
○ 高校→社会人3年→NPB9年
○ 高校→NPB12年
32歳
○ 高校→大学4年→社会人3年→NPB7年
○ 高校→大学4年→NPB9年
○ 高校→大学4年→NPB10年
・佐々木主浩(横浜→シアトル・マリナーズ)※早生まれ
○ 高校→NPB13年
・田中賢介(北海道日本ハム→サンフランシスコ・ジャイアンツ)
33歳
○ 高校→大学4年→NPB10年
○ 高校→大学4年→NPB11年
・黒田博樹(広島東洋→ロサンゼルス・ドジャース)※早生まれ
○ 高校→NPB14年
・吉井理人(ヤクルト→ニューヨーク・メッツ)
・山口俊(読売→トロント・ブルージェイズ)
34歳
○ 高校→大学4年→社会人2年→NPB9年
・小林雅英(ロッテ→クリーブランド・インディアンス)
○ 高校→1浪→大学4年→NPB10年
・上原浩治(読売→ボルチモア・オリオールズ)
○ 高校→大学4年→NPB11年
・川上憲伸(中日→アトランタ・ブレーブス)
○ 高校→大学4年→NPB12年
・平野佳寿(オリックス→アリゾナ・ダイヤモンドバックス)※早生まれ
35歳
○ 高校→大学4年→社会人2年→NPB10年
・高橋尚成(読売→ニューヨーク・メッツ)
36歳
○ 高校→大学4年→NPB13年
・高津臣吾(ヤクルト→シカゴ・ホワイトソックス)
○ 高校→大学4年→NPB14年
・斎藤隆(横浜→ロサンゼルス・ドジャース)※早生まれ
37歳
○ 高校→1浪→大学4年→社会人2年→NPB11年
○ 高校→2浪→大学4年→NPB12年
・小宮山悟(横浜→ニューヨーク・メッツ)
「早生まれ」のエース投手,名投手
スポーツにおいて、同じ学年で成長具合が異なることから早生まれは不利であると言われる。
また学業おいても、誕生月によって入試の受験生を分類すると「早生まれ」と言われる1〜3月生まれは合格率が低くなることがあるそうだ。
本項では、輝かしい実績を残しているプロ野球選手を誕生月ごとに分類し、特に「早生まれの投手」に注目していく。
【対象選手】
「助っ人外国人選手」を除いた136選手
投手:通算150勝以上または通算200セーブ以上または沢村賞複数回受賞の69選手
打者:通算2000本安打以上または通算350本塁打以上または三冠王の66選手
二刀流:大谷翔平
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
1月:8人(4投手, 4打者)
2月:9人(6投手, 3打者)
3月:9人(6投手, 3打者)
4月:11人(5投手, 6打者)
5月:11人(8投手, 3打者)
6月:12人(5投手, 7打者)
7月:10人(6投手, 3打者, 大谷)
8月:13人(5投手, 8打者)
9月:15人(9投手, 6打者)
10月:12人(4投手, 8打者)
11月:10人(7投手, 3打者)
12月:16人(4投手, 12打者)
投手と打者の合計では12月が16人と最も多くなっている。
投手は9月の9人が最も多くなっており、現役では松坂大輔選手も当てはまる。
やや早生まれの選手が少ないことがわかる。
・・・・・
対象とした投手のうち「戦後生まれ」は43人であり、この選手を誕生月で分類する。
3月:1人 (平野佳寿)
9月:6人 (鈴木啓示,平松政次,西口文也,佐藤義則,石井一久,松坂大輔)
10月:3人 (成田文男,菅野智之,山﨑康晃)
11月:6人 (村田兆治,岩瀬仁紀,高津臣吾,小林繁,斉藤和巳,田中将大)
12月:1人 (三浦大輔)
青字・・・「早生まれ」の投手
3月生まれは日米通算セーブ数で対象となった平野投手ただ一人となった。
同月生まれ投手の勝利数を見ると、戦前生まれでは350勝の米田投手がいるが、戦後では150勝すらおらず117勝をあげた郭泰源選手が最も多い。郭選手はプロ選手としてのキャリアはNPBで始めたが、出身は台湾である。
「3月生まれ」「戦後生まれ」「日本出身」という括りで見ると、平野投手以外では以下の選手らが該当する。
・福山博之(東北楽天)
通算98H/60登板以上で防御率1点台(2度)
・大家友和
MLB通算51勝(5球団在籍)
・小池秀郎
通算51勝/8球団競合→入団拒否,1997年最多勝
・三瀬幸司
通算47S45H/2004年セーブ王&新人王
他の月生まれの投手と比較して、活躍した選手が少ない印象を受けてもおかしくないだろう。
1月2月生まれの顔ぶれを見ると、早生まれのエース投手,名投手が明らかに少ないとまでは言えないが、3月生まれで活躍した投手は少ないと言っても間違いではなさそうだ。
4月1日生まれの桑田真澄投手は、学年では前日までに生まれた人と同じ学年になる。
3月生まれに含めるとすると、最も活躍した3月生まれと言えそうだ。
(更新:2022.08.24・・・横浜DeNA・山﨑康晃投手の通算200セーブ達成によりデータ追加)
先発投手の被本塁打
日本シリーズ第1戦に登板し、巨人のエース・菅野投手と投げ合ってチームを勝利に導いたソフトバンクのエース・千賀滉大投手だが、今シーズンは最多勝,最優秀防御率,最多奪三振の3冠に輝いている。
その成績の中で注目すべきは、タイトルに輝いた部分以外で被本塁打数ではないだろうか。
2016年から先発として5年連続二桁勝利を挙げているが、2018年にはリーグワーストで両リーグでも2番目に多い21被本塁打を記録するなど、やや「一発」を浴びることが多い投手ではあった。
しかし、今年は最終戦で規定投球回に到達してシーズンを終えると被本塁打は4と前年までと比べ激減させている。
本項では、規定投球回到達者や各球団のエース級投手の被本塁打数と被本塁打率を見る。
対象:100イニング以上投げた先発型投手
※は規定投球回(120回)未到達者
⭐︎は先発投手4タイトル獲得者
H・千賀滉大 4本/121回 →0. 2975⭐︎
T・青柳晃洋 4本/120.2回 →0. 2983
Bu・山本由伸 6本/126.2回 →0. 426⭐︎
C・森下暢仁 6本/122.2回 →0. 440
G・菅野智之 8本/137.1回 →0. 524⭐︎
F・バーヘイゲン 7本/111.2回 →0. 564※
M・美馬学 9本/123回 →0. 659
L・高橋光成 9本/120.1回 →0. 673
H・石川柊太 9本/111.2回 →0. 725※⭐︎
F・有原航平 11本/132.2回 →0. 746
H・東浜巨 10本/119回 →0. 756※
C・九里亜蓮 11本/130.2回 →0. 758
D・大野雄大 13本/148.2回 →0. 787⭐︎
T・西勇輝 15本/147.2回 →0. 914
M・小島和哉 12本/113.1回 →0. 953※
G・戸郷翔征 12本/107.2回 →1. 003※
De・大貫晋一 13本/113.2回 →1. 0293※
Bu・田嶋大樹 14本/122.1回 →1. 0300
L・ニール 13本/112回 →1. 045※
E・則本昂大 13本/109回 →1. 073※
C・遠藤淳志 13本/107回 →1. 093※
E・涌井秀章 17本/130回 →1. 177⭐︎
M・石川歩 19本/133.1回 →1. 283
T・秋山拓巳 17本/112回 →1. 366※
Ys・小川泰弘 20本/119回 →1. 513※
L・松本航 19本/103回 →1. 660※
上位には千賀投手、山本投手、菅野投手など球界屈指のエース投手が並んでいるが、その中に千賀投手とほぼ変わらない数字で阪神の青柳投手がおり、また10勝防御率1点台のスーパールーキー森下投手がいる。
ホームランが出やすい球場であるかなど本拠地球場の影響もある数字ではあるが、投手の特徴が現れる数字になっている。