プロ野球データ紹介

私が気になったプロ野球に関するデータをたまに紹介していくページです。

FA移籍投手の成績 〈二桁勝利のハードル〉

本項では、NPBでのFA移籍した投手の移籍先での勝ち星を整理する。

 

別項にて取り上げたものを2022年シーズン終了時に更新したうえで、FA移籍先で二桁勝利をした投手に絞り整理する。

 

【主なFA移籍投手の勝利数】

(移籍初年度・投手名 移籍後球団←移籍前球団)

 

*1995年・工藤公康 福岡ダイエー←西武

    1年目:1995年・12勝

 (2年目:1996年・  8勝 最多奪三振

    3年目:1997年・11勝

    5年目:1999年・11勝

 →1999年最優秀防御率最多奪三振リーグMVP

 

*2000年・工藤公康 読売←福岡ダイエー

    1年目:2000年・12勝5敗 ※最高勝率

    5年目:2004年・10勝

    6年目:2005年・11勝

 

*2008年・石井一久 西武←東京ヤクルト

    1年目:2008年・11勝

    5年目:2012年・10勝

 

*2012年・杉内俊哉 読売←福岡ソフトバンク

    1年目:2012年・12勝 最多奪三振&最高勝率

    2年目:2013年・11勝

    3年目:2014年・10勝

 

*2014年・涌井秀章 千葉ロッテ埼玉西武

    2年目:2015年・15勝→最多勝

    3年目:2016年・10勝

 

*2014年・久保康友 横浜DeNA阪神

    1年目:2014年・12勝 (4年ぶり2桁)

 

*2014年・中田賢一 福岡ソフトバンク←中日

    1年目:2014年・11勝

 

*2017年・岸孝之 東北楽天埼玉西武

    2年目:2018年・11勝 最優秀防御率

 

*2017年・山口俊 読売←横浜DeNA

    3年目:2019年・15勝4敗

 →2019年最多勝最高勝率最多奪三振

 

*2019年・西勇輝 阪神オリックス

    1年目:2019年・10勝

    2年目:2020年・11勝 ※短縮シーズン

 

*2020年・美馬学 千葉ロッテ東北楽天

    1年目:2020年・10勝 ※短縮シーズン (3年ぶり2桁)

    3年目:2022年・10勝

 

 

 

★FA移籍初年度の勝利数トップ 「12勝」

・工藤(2度:福岡ダイエー/94、読売/00)

・杉内(読売/12)

・久保(横浜DeNA/14)


★FA移籍先でのシーズン最多勝利数 「15勝」

・涌井(千葉ロッテ/15)

・山口(読売/19)

↓ともにリーグ最多勝

 

★FA移籍先での"最多勝"タイトル獲得

・涌井(千葉ロッテ/15)

・山口(読売/19)

 

★FA移籍先でのシーズン二桁勝利回数

6度・・・工藤 (福岡ダイエー3度、読売3度)

3度・・・杉内

2度・・・石井、涌井、西勇輝、美馬

 

 

〜勝利数以外の項目〜

★FA移籍先での"最優秀防御率"タイトル獲得

・工藤(福岡ダイエー/99)

・岸(東北楽天/18)

2選手とも西武から移籍

 

★FA移籍先での"最高勝率"タイトル獲得

・工藤(読売/00)

・杉内(読売/12)

・山口(読売/19)

3選手とも読売

 

★FA移籍先での"最多奪三振"タイトル獲得

・工藤(2度:福岡ダイエー/96,99)

・杉内(読売/12)

・山口(読売/19)

 

 

多くの投手、先発投手が過去にFA移籍を経験したが、FA移籍先で先発投手4タイトルのいずれかを獲得できたのは、工藤公康杉内俊哉涌井秀章岸孝之、山口俊の5選手のみである。

 

移籍後にリーグ最高クラスの成績を単年でも残すことは難しいとわかる。そして、何シーズンにも渡って、また2つの移籍先で好成績を残した工藤投手は1人別格の存在であると言える。

 

 

 

…FA移籍後にタイトルを獲得したり二桁勝利を複数回記録したりできる投手は、現在ではFA移籍先として国内ではなく海外・メジャーリーグを目指す傾向にあるため、そのようなエース級投手が国内FA移籍して活躍する姿はこれからあまり見られなくなるかもしれない。